クレヨンでしか出来ない表現

　クレヨン、と聞くと「子供の使う画材でしょ」と思われる方が多いかもしれませんが、実はヨーロッパでは人気画材の一つでもあるのです。その理由は、「クレヨンにしかできない勢いの表現」にあります。

　クレヨン画の特徴として、紙の目が筆跡に現れやすいことが挙げられます。下に何か敷くことで、同じ画面上に違う筆跡を残すことも可能。基本的に力強い線が特徴的なクレヨンですが、布などでぼかすことによって柔らかい印象の絵を描くこともできます。水彩絵の具をはじくことを逆手にとって、クレヨンならではの絵を描くことも可能です。また、クレヨンは軸が太く、細かい絵を描くのには適していませんが、上からまちがった色で塗ってしまっても削ることによって修正できるという強みもあります。

　クレヨンで描かれた絵は、独特の色合い・筆跡と力強さや勢い、激しさが特徴的。扱いに慣れるのは難しいですが、クレヨンを上手く扱えるようになれば自分自身の強みになることは確かです。「使いづらそうだから」と言う前に、一度クレヨンで絵を描いてみることをおすすめします。大きな紙に描けば写実的な絵も描けますし、特に抽象的な絵に向いているクレヨン。幼い頃に戻ったつもりで、クレヨンを手にしてみてはいかがでしょうか？