デッサンがもたらす集中力
- kotomiuehara
- 2016年6月6日
- 読了時間: 2分
デッサンの練習って嫌う人多いですよね。黙々と紙に向かって描き続けるのは時間も掛かるし、なにより集中力が途絶えてしまうこともあります。最近では、絵の練習にデッサンを組み入れて取り組む人も少なくなり、「デッサンなんて写実的な表現の練習でしょ、抽象的なものを描くからいらない」なんて人も見かけます。確かに、デッサンは「見たものを、そのまま紙にうつす」という作業のため、写実的な絵を描く人以外はいらない、デフォルメする絵を描く人には不要なんていう誤解もしてしまうかもしれません。しかし、それは真実なのでしょうか?
私がデッサンを学校で習っていた頃、クラスには3つのタイプの人がいました。絵を普段から描く子、普段絵は描かかない子、そもそもいままで絵をちゃんと描いてみたことがないという子。「絵」というスタートダッシュはそれぞれ違う3つのタイプですが、はじめて先生が授業でデッサンを描かせてみたところ、予想もしなかったことが起こりました。
普段から絵を描く子の方が、最初のデッサンが上手くてあたりまえ・・・・・・ではなく、なんと3つのタイプのうち「そもそもいままで絵をちゃんと描いてみたことがない」という子が最も上手なデッサンを書いて描いていたのです。前に全員のものを並べても一目瞭然。細部の描き込みの数や、形の正確さ、陰影のつき方までその子が最も上手かったのです。もちろん、先生も大絶賛するほどの出来。では、経験のある子と経験のない子のこの差はなんだったのでしょうか。
それが、“集中力”です。一番クオリティの高いデッサンをしたその子は、普段から集中することが得意な子でした。物事の切り替えが早く、一度のめりこんだら声をかけられても気付かない。自分の世界に没頭できる。じつは、これがデッサンを学ぶ理由でもあるのです。
デッサンはよく「物を観察する練習」とも言われますが、実はこれは「集中力を高める練習」でもあるのです。描きたい対象と向き合い、集中して観察し、没頭した自分の世界を紙に表現する。デッサンの醍醐味や意義は、そんなところにあるのでは、と私は思っています。
後は都会よりも田舎のほうが集中してデッサンできるような気がします。那覇市で絵を描くよりも、与那原町で絵を描くほうが集中できる気がするんです。だから与那原町で一戸建てを購入するのもアリなのかな~と。

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